「やるはずだった」を繰り返さないために
―『最後までやりきる力』を読んで―
決意と行動は別物である。
振り返ってみると、「やろう!」と思ったことを、結局行動に移せなかった例は、数えきれないほどある。
その度に、嫌な気持ちになり、こう決意する。
「次こそはやろう」と…
されど行動は変わらず、決意だけ上書きされ続けた結果、私は、卒業に必要な単位のレポートを期限までに終えられないという、目も当てられない失敗をした。
幸い挽回する方法はあったものの、 その時の焦りと自己嫌悪が、この本を手に取らせた。
意志に頼らずにやりきる。
この本には、決意からそれを行動に移すためのノウハウが書かれている。
やる気だけで取り組むのではなく、実行する環境をつくるといものだ。
それなら考えたことがあると思う人もいるかもしれない。
実際、私もそう思った。
「これを終えたら焼肉に行こう」とか、
「家だと誘惑に負けるからカフェで勉強しよう」とか…
それで上手くできている人は、それでいいのかもしれない。
(私には不十分だった。)
この本では、もっと徹底してシステム化することが書かれている。
そのシステムは、具体的には、大きく2つに分けられると思う。
決意を繰り返し思い出すための仕組みと、嫌でも行動させるための仕組みである。
前者は、自分の純粋な動機を思い出させるためのものだ。
決意を書いたホワイトボードを壁に掛けておくとか、
スマホの待ち受けにするとか…
書初めもこの類にはいるだろう。
一方、後者は、行動を阻害する要因を取り除くためのものだ。
朝起きれないのであれば、他の人が眠る部屋にも目覚ましをセットておくとか、
お金をあらかじめ家族や友人に預けて、達成されたら返してもらうとか...
純粋な動機とは別に、より強力な動機をつくること、と言い換えられるかもしれない。
ただし、阻害するものは、やり遂げたい事や人によって異なるので、その度に自分で考えることが必要だと述べられている。
やるもやらぬも自分次第。
本を読んだだけで満足してしまっては、それでおしまいである。
この仕組みを作るための仕組みはないので、最初は、どうしても意志が必要になるだろう。
それだけの力は、自分の中にあることを期待したい…
- 作者: スティーヴ・レヴィンソン,クリス・クーパー,門脇弘典
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2016/03/02
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